
半芸ハウス
2023
「七つ宿の復興」
宮城県七ヶ宿町。山間にあるこの街は、海側と山側をつなぐ街道が通り、その名の通り7つの宿場町によって栄えていた。その後、新幹線の開通により過疎化が進み、現在の人口は1500人にも満たない。2020年にこの街で起業を目指して移り住んだオーナーと七つの宿を作り、エリアリノベーションと地域復興を目指す。
「濃淡のあるくらし」
地方では、季節に応じて収入源が変化するいわゆる「季節労働者」が大半を占めている。この地域も、暖かい時期に農業をしている人は、雪が降ればスキー場のスタッフや雪かき手伝いなど、職の衣替えをしていく。そんな中、シーズンごとに制作活動をする何人かの作家を見つけた。町内の蕎麦屋の主人は、春から秋には蕎麦の実を育てて収穫し、冬場は農業をしない分革製品の小物を作って道の駅で販売している。普段町のカフェで働く近所の女性は冬場に天然のドライ植物を収穫して標本にしいてる。いつもダム公園で働くお母さんはこの場所に咲く紫陽花でドライフラワーを作ってインターネットで販売している。そうやって、営みの半分に芸術活動を据える人々を「半芸アーティスト」と称した。そして、彼らを紹介する拠点/宿「半芸ハウス」を作ることにした。
「半芸ハウス」ではこの地域が生み出した資源をテーマに制作をする地元の人々の作品を設置したり、自然素材をテーマにしたアーティストに滞在制作をしてもらった部屋に宿泊する事ができる。この宿に泊まることで、この地域の季節に応じた「濃淡のあるくらし」を体感してもらいたい。
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用途:宿泊施設
所在地:宮城県
設計:北城みどり+佐藤駿 +湯ノ迫史(サコキカク)
撮影:撮影:高橋武尊
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program : gallery x+cafe
location:Miyagi
design::Midori Hojo+Shun Satoh+Fumi Yunosako(sako-kikaku)
photography : Takeru Takahashi














